アラスカレポート04

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ブルース・ゴア
1969年大学卒業と同時に船を購入しトロールと刺し網の漁を始める。’78年トロール漁専用の冷凍船「トライアド号」を自ら建造。
「新鮮で美味しい魚を楽しんでもらいたい」
「お客さんにいつでも同じ味の魚を食べてもらいたい」
ブルースの漁法とその鮮度へのこだわりが、多くの仲間の共感を得る。

沖合いのアラスカサーモンは身が締まり充分に脂がのっている。それがトロール漁だ!

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トロール漁は釣り糸に多くの釣針やルアーをつけて行う釣り漁。網漁と比べれば最も効率の悪い漁法といえる。
しかし、漁法以上に大きく違うのは漁域。トロール漁は網漁の漁域を超えた沖合での漁獲が許されている。
この時期、沖合では河へ遡上する準備のため、自らエサをとろうという気概あふれたサーモンが元気に泳いでいる。トロール漁で漁獲されたサーモンは、当然身 が締まり充分に脂がのっている。一尾一尾丁寧に釣り上げられたサーモンは傷も少なく高品質。アラスカサーモンの中でも最高の評価を得ている。

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ルアーにかかった魚は興奮し逃れようと必死。
船は魚を落ち着かせるため、魚の泳ぐスピードに合わせて速度を落とす。魚がストレスを持つと、アドレナリンと乳酸が出て味に悪影響を与えるからだ。
魚は船上に上げる際に一撃で気絶させ、甲板上で直ちに頭と内臓を取り除き、完全な血抜きをするため15分以内に丁寧にマッサージする。血中の酸素は魚の味を落とすので、この処理は非常に重要だ。
そして死後硬直が始まる前、釣り上げてから2時間以内に船内で急速凍結させる。これが魚の鮮度を保ち美味しさを損なわせない秘密だ。

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ブルースのレシピで自慢の魚をいただくことになった。
氷詰めにし2日間かけてじっくり解凍されたキングサーモンは、釣り上げられてから数時間後の鮮度を保っている。
まずは刺身で食べてみる。鮮度の良さが際だち、風味が豊かでしっかり味がある。こんな旨いサーモンは初めてだ。引いた皮はカリカリに焼いて香ばしくいただ く。切り身の場合は、表面はカリッと中はふんわりミディアムレアに焼くのがコツ。他にも岩アイナメや旬のダンジネスクラブなどを味わう最高の一時となった。

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