ブルースゴア氏との商談

日米サケ事情

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亀和のサケ販売状況・・ 若干上向き

アメリカでは養殖に対するネガティブなイメージが定着し、ブルースの魚に対する評価が高まっている。引き合いも強い。

EX) あるカリフォルニアのスーパー3店舗で5ヶ月間で7000LBSの販売予定が5倍の35000LBSに。魚種はキングサーモンと銀サケ。 イギリスでも養殖のスコッチサーモンの消費が減ってきておりブルースの魚への需要が高まっている。

Q&A

Q1 いつから漁を?
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1965年学生時代にまき網漁のアルバイトを始めた。’69年大学卒業と同時に船を購入してトロールと刺し網の漁を始める。以来38年間現役の漁師とし て活躍。最近は多忙なため後進に任せて乗船しないことも。昨年初めて自分の船の出漁をワーフで見送るという経験をした。
’78年にトロール漁専用の”トライアド号”を持つ。「トライアド=3つ」とはブルースと奥さん、そして船の3つを意味する。

Q2 トロールと刺し網の違いは?
トロールはルアー(疑似餌)を使った一本釣り。漁法以上に大きな違いは漁場。トロールでは沖合いまで出漁するが、刺し網漁は沿岸部で行われる。産卵の準備のため河に遡上しようとする直前。エサはあまり食べなくなり脂がなくなってきている。
一方、トロールで獲れるサケは自らエサを獲ろうという気概あふれた外洋を元気に泳いでいるサケ。味がちがうのも当然といえる。

Q3 ブルースの漁法のこだわりは?
何よりも魚を獲ってからの処理方法。魚にストレスを与えないよう細心の注意を払う。
魚がストレスを持つとアドレナリンと乳酸が出て味に悪影響を与える。
まず、魚がかかると魚の泳ぐスピードに合わせて船の速度を落とす。魚を落ち着かせストレスを与えないためだ。そして船上に上げる際に一撃で気絶させる。 甲板に上げられた魚は直ちに頭と内臓を取り除き、完全な血抜きのため15分以内に丁寧にマッサージする。血中の酵素は魚の味を落とすのでこの処理は非常に 重要だ。そして死後硬直が始まる前、釣り上げてから2時間以内に船内で急速凍結させる。このことが魚の鮮度を保ちおいしさを損なわせない秘密なのだ。

Q4 1日の漁獲量は?
約200から300尾が限度。普通の刺し網漁船の10分の1以下だ。しかし魚の処理方法にこだわる限りこれ以上の漁獲は不可能。お客さんにいつでも同じ味の魚を食べてもらいたい。新鮮でおいしい魚を楽しんでもらいたい。そう願っている以上今の漁法を変えるつもりはない。

Q5 船団の仲間たちは?
現在ブルースの船団には28隻の船が所属している。皆ブルースに共感しブルースの漁法を会得したもの達だ。どんな過酷な条件下でもこの漁法を守り通せるものだけがブルースのタグをつけることができる。

Q6 おすすめ料理法は?
答えにはならないかもしれないが、極力手を加えないほうがいい。第一は刺身だ。日本のお客様は養殖のサケに慣れているのでブルースのサケは脂が少ないと 感じられる方が多い。そんな方には甘塩の定塩サケで頂くのが好みに合うようだ。そしてあまり火を通し過ぎないこと。ミディアムレアくらいが丁度いい。

紀ノ国屋青山店訪問

閉店セール中の紀ノ国屋青山店を訪問。バイヤー大坪氏と会談した。
ブルース自らディスプレーを直すなど、商品への愛着も見せた。