2026.11.05

持続可能な漁業とは?水産資源を守る仕組みとサステナブルシーフードとの関係

サスティナブルシーフード

魚を食べる機会が多い一方で、「このまま魚を獲り続けても大丈夫なのか」「持続可能な漁業とは具体的に何を指すのか」と気になったことはありませんか。水産資源や海の環境への関心が高まるなかで、魚の選び方にも少しずつ変化が生まれています。
持続可能な漁業とは、魚を獲り尽くすのではなく、資源が回復できる状態を保ちながら、将来も漁業を続けられるようにする考え方です。漁獲量の管理や漁法の工夫、海の生態系への配慮など、さまざまな仕組みによって支えられています。
この記事では、持続可能な漁業の意味や必要とされる背景、水産資源を守るための仕組み、サステナブルシーフードとの関係をわかりやすく紹介します。日々の食事や仕入れで、海に配慮した水産物を選びたい人は、ぜひ参考にしてください。

持続可能な漁業とは水産資源を守る考え方

持続可能な漁業とは、魚を獲る量や方法を管理しながら、将来も水産資源を利用できる状態を保つ漁業のことです。漁業を続けるためには、資源の回復力や海の生態系に配慮し、食卓までのつながりを考える必要があります。

資源を回復させながら獲る管理

持続可能な漁業では、魚を獲れるだけ獲るのではなく、資源が回復できる範囲で利用する考え方が大切になります。魚は自然に増える力を持っていますが、成長や繁殖の速度を超えて獲り続けると、資源量が減り、将来の漁獲にも影響が出ます。
そのため、資源の状態を調べたうえで、獲ってよい量や漁期、漁法などを管理する仕組みが必要です。短期的な漁獲量だけを優先するのではなく、次の世代の魚を残しながら利用することで、漁業者にとっても消費者にとっても安定した水産物の供給につながります。

海の生態系への配慮

漁業は、対象となる魚だけでなく、海の生態系全体と関わっています。漁法によっては、目的ではない生き物を一緒に捕獲してしまう場合や、海底の環境に負担をかける場合があります。水産資源を守るには、魚の数だけでなく、魚が暮らす環境にも目を向ける必要があります。
持続可能な漁業では、混獲を減らす工夫や漁具の改善、漁場の管理なども重要です。海の中では、魚、貝、海藻、プランクトンなどがつながりながら生きています。特定の魚だけを見て判断するのではなく、海全体のバランスを意識することで、長く続けられる漁業に近づきます。

漁業と食卓をつなぐ視点

持続可能な漁業は、漁業者や行政だけの取り組みではありません。消費者がどの水産物を選ぶかによって、環境に配慮した漁業や流通を支えることにもつながります。普段の買い物や外食で選ばれる商品が変われば、事業者の仕入れや販売の考え方にも影響します。
もちろん、日々の食事だけで漁業の課題がすべて解決するわけではありません。それでも、どの水産物を選ぶかという行動は、持続可能な漁業に取り組む生産者や事業者を支える一歩になります。食卓の選択も、海の資源を守る取り組みと無関係ではありません。


持続可能な漁業が求められる理由

持続可能な漁業が必要とされる背景には、水産資源の減少、乱獲やIUU漁業、海洋環境の変化があります。魚を将来も食べ続けるためには、漁獲量だけでなく、海を取り巻く問題をあわせて考えることが大切です。

水産資源の減少

水産物は、世界中で食料として利用されている大切な資源です。一方で、需要の増加や漁獲の集中によって、資源量に不安がある魚種もあります。魚は自然に増えるとはいえ、回復する前に獲り続ければ、将来の漁獲量が減ってしまう可能性があります。
水産資源が減少すると、漁業者の収入や地域の食文化にも影響します。消費者にとっても、価格の上昇や安定供給の難しさにつながる場合があります。持続可能な漁業は、魚を守るためだけでなく、漁業に関わる人々の暮らしや、私たちの食卓を支えるためにも重要です。

乱獲やIUU漁業の影響

乱獲とは、資源が回復できる量を超えて魚を獲り続けることです。短期的には多くの水産物を得られても、資源量が減れば、長期的には漁業を続けにくくなります。漁獲量を適切に管理しないまま利用を続けると、海のバランスにも影響が広がります。
また、IUU漁業と呼ばれる違法・無報告・無規制の漁業も問題です。ルールを守らない漁業が広がると、正しく管理している漁業者が不利益を受けるだけでなく、資源管理の前提となる漁獲データも不正確になります。持続可能な漁業を進めるには、ルールに基づいた漁獲と透明性のある流通が欠かせません。

海洋環境の変化

海の環境は、気候変動や海水温の変化、海洋ごみ、沿岸環境の変化など、さまざまな影響を受けています。魚の分布や成長は海の状態と深く関わるため、これまで獲れていた魚が獲れにくくなったり、漁期が変わったりすることもあります。
こうした変化に対応するには、過去の経験だけに頼らず、資源評価や海洋環境の情報を踏まえた管理が必要になります。漁業の現場では、変化する海に合わせて漁獲量や漁法を見直すことも大切です。水産資源を守るには、魚そのものだけでなく、魚が育つ環境を見続ける姿勢が求められます。


水産資源を守る漁業の仕組み

水産資源を守るためには、考え方だけでなく、実際に漁獲を管理する仕組みが必要です。資源評価、漁獲量の上限設定、漁業者ごとのルール、認証制度などが組み合わさることで、持続可能な漁業を支えています。

仕組み 主な内容 期待される役割
資源評価 魚の量や資源状態を科学的に調べる 漁獲量を決めるための基礎になる
TAC管理 魚種ごとに漁獲できる総量を定める 獲りすぎを防ぎやすくする
IQ管理 漁業者や漁船ごとに漁獲枠を割り当てる 過度な漁獲競争を抑えやすくする
認証制度 持続可能性や流通管理を第三者が確認する 消費者や事業者が選ぶ際の判断材料になる

資源評価とTAC管理

資源評価とは、魚の量や年齢構成、漁獲状況などを調べ、資源がどのような状態にあるのかを判断する取り組みです。資源の状態を把握しないまま漁獲を続けると、どの程度まで利用できるのか分からず、獲りすぎにつながるおそれがあります。
TAC管理は、魚種ごとに漁獲できる総量を定める仕組みです。日本では、資源評価に基づいてTACを決め、資源管理を進める考え方が取り入れられています。漁獲量に上限を設けることで、資源の回復力を超えた利用を避けやすくなります。

IQ管理や漁獲ルール

IQ管理は、漁獲可能量を漁業者や漁船ごとに割り当てる仕組みです。全体の漁獲量だけを管理する場合、早く多く獲ろうとする競争が起きやすくなります。個別に枠を設けることで、過度な漁獲競争を抑え、計画的な操業につなげやすくなります。
漁獲ルールには、漁期、漁場、漁具、魚の大きさ、禁漁期間など、さまざまな内容があります。地域や魚種によって必要な管理は異なるため、現場の実情に合ったルールづくりも重要です。数字だけで管理するのではなく、漁業者が守りやすい仕組みにすることで、持続可能な漁業は続けやすくなります。

認証制度と流通管理

持続可能な漁業を消費者に分かりやすく伝える仕組みとして、認証制度があります。代表的なものに、天然水産物を対象とするMSC認証や、養殖水産物を対象とするASC認証があります。認証制度は、漁業や養殖の取り組みを第三者が確認し、基準を満たした水産物を消費者や事業者が選びやすくする役割を持っています。
また、認証水産物が消費者に届くまでには、加工や流通の管理も必要です。認証された水産物と非認証の水産物が混ざらないように分け、記録を残し、たどれる状態にしておくことで、ラベルの信頼性が保たれます。水産資源を守る取り組みは、漁獲や養殖の現場だけでなく、流通の中にも広がっています。


サステナブルシーフードとの関係

サステナブルシーフードとは、将来も魚を食べ続けられるよう、水産資源や環境に配慮して生産・管理された水産物のことです。持続可能な漁業と深く関係しており、MSC認証やASC認証は水産物を選ぶ際の分かりやすい判断材料になります。

MSC認証の天然水産物

MSC認証は、持続可能な漁業で獲られた天然水産物であることを示す認証です。対象となるのは、海や川などで漁獲される天然の魚介類です。水産資源の状態、漁業が生態系に与える影響、漁業の管理体制などが審査され、基準を満たした漁業に認証が与えられます。
MSC認証では、単に魚が天然であるかどうかだけでなく、資源を将来も利用できる状態に保てるか、漁業が海の生態系に配慮しているかも見られます。天然水産物を選ぶ際に、漁業の背景まで意識したい場合に参考になる認証です。

ASC認証の養殖水産物

ASC認証は、責任ある養殖によって育てられた水産物であることを示す認証です。養殖では、飼料の使い方、排水、周辺環境への影響、労働環境、地域社会との関係など、天然漁業とは異なる視点での管理が必要になります。
養殖水産物は、世界的な水産物需要を支える大切な存在です。ただし、環境や社会への配慮が不足すると、海や地域に負担をかける場合があります。ASC認証は、養殖水産物を選ぶ際に、環境や社会に配慮された商品かどうかを見分ける手がかりになります。

認証ラベルという選ぶ目印

MSC認証やASC認証のラベルは、サステナブルシーフードを選ぶための分かりやすい目印です。天然水産物ならMSC、養殖水産物ならASCと考えると、売り場やメニューで水産物を選ぶ際に判断しやすくなります。
ただし、ラベルは水産物選びの判断材料のひとつです。認証ラベルを入口にしながら、魚種や産地、商品情報、販売している事業者の取り組みもあわせて見ることで、より納得感のある選択につながります。


持続可能な漁業を支える選び方

持続可能な漁業を支えるために、消費者や事業者ができることは身近な選択の中にもあります。認証ラベル、旬、食べきれる量、取扱事業者の姿勢を意識することで、無理なく海に配慮した水産物を選びやすくなります。

  • MSC認証やASC認証などのラベルを確認する
  • 旬の魚や食べきれる量を意識して選ぶ
  • 水産物の背景を伝えている事業者から購入する

大切なのは、一度だけ特別な選択をすることではありません。家庭でも店舗でも、続けやすい方法から取り入れることで、持続可能な漁業を支える行動につながります。

認証ラベル付きの商品

水産物を選ぶ際は、商品パッケージや店頭表示、飲食店のメニューにMSC認証やASC認証などのラベルがあるかを見てみましょう。ラベルだけで判断しきれない場合は、魚種名、産地、加工方法、販売者の情報もあわせて確認すると選びやすくなります。
認証ラベル付きの商品は、消費者にとって選択の目安になり、事業者にとっても取り組みを伝えやすい選択肢です。特に飲食店や小売店では、商品説明に認証の情報を添えることで、海に配慮した水産物であることをお客様へ伝えやすくなります。

旬や食べきれる量

持続可能な水産物選びでは、認証ラベルだけでなく、旬や食べきれる量も大切です。旬の魚は、その時期に流通しやすく、味や価格の面でも取り入れやすい場合があります。食材を無理なく使い切ることは、食品ロスを減らすことにもつながります。
家庭では、必要な量だけ購入する、冷凍品を上手に使う、余った魚を別の料理に活用するなどの工夫があります。飲食店や小売店では、仕入れ量と提供量のバランスを見直すことも大切です。水産物を大切に使い切る姿勢も、海に配慮した選び方の一部になります。

信頼できる取扱事業者

水産物の背景をすべて消費者が調べるのは簡単ではありません。そのため、どのような考えで商品を扱っている事業者なのかを見ることも大切です。認証水産物の取り扱いや産地情報、加工方法、保管方法などを分かりやすく伝えている事業者であれば、商品を選ぶ際の判断材料が増えます。
飲食店や小売店にとっても、信頼できる取扱事業者とつながることは重要です。安定した品質や供給だけでなく、サステナブルシーフードに関する情報を共有できる相手であれば、お客様への説明もしやすくなります。価格だけでなく、商品背景を含めて選ぶ視点が求められます。


亀和商店のサステナブルシーフードへの取り組み

亀和商店では、持続可能な漁業や責任ある養殖につながる水産物の取り扱いを進めています。認証水産物を選びたい事業者に向けて、商品情報や用途に合わせた選び方を考えることができます。

認証水産物の取扱例

亀和商店では、MSC認証やASC認証を取得した水産物を扱っています。MSC認証は持続可能な漁業で獲られた天然水産物、ASC認証は責任ある養殖によって育てられた水産物の目印です。用途や提供方法に合わせて、こうした認証水産物を選ぶことで、海に配慮した商品づくりにつなげやすくなります。
認証水産物を導入する際は、魚種、産地、加工形態、規格、保存方法などを確認することが大切です。水産物は漁獲状況や在庫、季節によって取り扱いが変わる場合があります。継続的な利用を考える場合は、最新の商品情報を確認しながら検討すると判断しやすくなります。

飲食店や小売店での活用

サステナブルシーフードは、飲食店や小売店の商品づくりにも活用できます。例えば、刺身、寿司、海鮮丼、惣菜、冷凍商品など、商品形態に合わせて認証水産物を取り入れる方法があります。メニューや商品説明に認証情報を添えることで、海に配慮した水産物であることを伝えやすくなります。
近年は、味や価格だけでなく、商品がどのように生産・管理されているかを気にするお客様も増えています。認証水産物を取り入れることで、店舗として海に配慮した水産物を扱っていることを説明しやすくなります。すべての商品を一度に切り替えるのではなく、一部のメニューや売り場から始める方法もあります。

海に配慮した商品選び

海に配慮した商品選びでは、認証の有無だけでなく、使いやすさや継続性も大切です。どれほど意義のある商品でも、現場で扱いにくかったり、提供方法に合わなかったりすると、継続が難しくなります。魚種、規格、保存方法、価格、提供シーンを合わせて見ることで、導入後の負担を抑えやすくなります。
亀和商店では、サステナブルシーフードを取り入れたい飲食店や小売店に向けて、用途に合う水産物選びを支えています。海に配慮した商品を無理なく取り入れたい場合は、取り扱い状況や用途に合わせて相談することで、店舗に合った形を見つけやすくなります。


まとめ|持続可能な漁業を知り未来の食卓へ

持続可能な漁業とは、水産資源を獲り尽くすのではなく、資源が回復できる状態を保ちながら、将来も漁業を続けられるようにする考え方です。資源評価やTAC管理、IQ管理、漁獲ルール、認証制度など、さまざまな仕組みによって支えられています。
サステナブルシーフードは、持続可能な漁業や責任ある養殖によって生産・管理された水産物を選ぶ考え方です。MSC認証やASC認証のラベルは、消費者や事業者が海に配慮した水産物を選ぶための分かりやすい目印になります。
水産資源を守る取り組みは、漁業の現場だけでなく、買い物や仕入れの場面にも関係しています。飲食店や小売店でサステナブルシーフードを取り入れたい場合は、用途や提供方法に合う商品選びについて、ぜひ当社へご相談ください。