2026.07.22
MSC認証とASC認証の違いは?主な違いや共通点・メリットを解説
サスティナブルシーフード
MSC認証とASC認証の違いが分からず、どちらを選べばよいのか迷っていませんか。サステナブルシーフードへの関心が高まる一方で、対象が天然魚なのか養殖魚なのか、審査で何が重視されるのかが曖昧なままだと、調達方針や取引先への説明で行き違いが起きやすくなります。
この記事では、MSC認証とASC認証の主な違いを比較し、共通点や導入メリット、用途別の選び方まで解説します。さらに、認証水産物を探している方向けに、亀和商店が大切にしている考え方や相談のポイントも紹介します。仕入れや表示の判断に役立てたい方は参考にしてください。
MSC認証とASC認証の違いが一目で分かる比較
MSC認証とASC認証は、どちらも持続可能な水産業を後押しする国際的な認証制度です。ただし、対象となる生産形態や審査の視点が異なるため、違いを押さえると選びやすくなります。まずは判断に直結するポイントから確認していきます。
対象となる水産物の違い
最も分かりやすい違いは、対象となる生産形態です。MSC認証は天然漁業で漁獲された水産物を対象とし、水産資源が持続可能な水準に保たれているかどうかが重視されます。一方、ASC認証は養殖業を対象とし、養殖場の運営方法や環境への影響が審査の中心です。そのため、天然のサバやカツオなどはMSC認証、養殖のサーモンやエビなどはASC認証というように、同じ「魚介」であっても背景で選択が分かれます。取り扱う商品の「天然か養殖か」を確認することが、認証選定の出発点になります。
審査基準と評価項目の違い
審査で見られる内容も異なります。MSC認証では、水産資源の状態、漁業管理の体制、生態系への影響などが総合的に評価されます。乱獲の防止や、適切なルールに基づく資源管理が行われているかが大切なポイントです。ASC認証では、水質管理、排水処理、飼料の調達、労働環境、地域社会への配慮など、養殖場の運営全体が評価対象となります。養殖は安定供給に役立つ一方、環境負荷も論点になりやすいため、管理方法の丁寧さが問われる仕組みです。
認証マークと流通管理の違い
認証マーク(ロゴ)は、MSCは青い魚のマーク、ASCは緑色のチェックマークが特徴です。実務上の注意点は、マークを表示するかどうかで求められる管理が変わることです。一般に、認証マークの使用には、流通段階で認証品と非認証品を分けて管理する仕組みが求められます。仕入れの段階だけでなく、加工・保管・販売までの流れを含めて整えることで、誤解のない表示につながります。
MSC認証とASC認証の基本
違いが見えてきたところで、それぞれの制度が何を目指しているのかも押さえておくと、説明の軸がぶれにくくなります。MSCは天然漁業、ASCは養殖業という前提の違いがあるため、目的は似ていても取り組みの焦点が変わってきます。
天然漁業を対象とするMSC認証
MSC認証は、持続可能な天然漁業を広げることを目的とした制度です。水産資源が健全な状態に保たれているか、漁業管理が適切に機能しているか、生態系への影響が抑えられているかなどが評価されます。資源量が回復可能な範囲にあることが前提となるため、短期的な漁獲量よりも長期的な管理の姿勢が問われます。結果として、取引先や消費者に対して「管理の考え方がある漁業由来の水産物」であることを伝えやすくなります。
養殖業を対象とするASC認証
ASC認証は、責任ある養殖業を推進するための制度です。養殖場の立地や水質管理、排水処理、飼料の持続可能性、労働環境などが審査の対象となります。養殖は供給を安定させやすい一方で、環境負荷や地域との関係が問題になりやすいため、運営の丁寧さが重要になります。ASC認証を取得していることは、環境や社会への配慮を伴う養殖であるという説明につながり、安心して選びたい取引先の要望にも応えやすくなります。
CoC認証とトレーサビリティの仕組み
MSC認証とASC認証のどちらでも、流通の信頼性を支える考え方としてCoC認証(流通管理の認証)が知られています。CoCは、認証水産物が流通過程で適切に分別管理されていることを確認する仕組みで、認証マークを正しく使うための前提として扱われることが一般的です。分別管理が行われることで、認証品の混在や誤表示が起きにくくなり、トレーサビリティの確保にもつながります。運用の要件は事業形態で変わるため、実際の表示や取り扱いは取引先と確認して進めるのが安心です。
MSC認証とASC認証の共通点と導入メリット
MSC認証とASC認証は対象こそ異なりますが、持続可能性を重視し、第三者の審査を通じて信頼性を担保する点は共通しています。導入の狙いは「環境に良い」だけでなく、取引や情報提供を円滑にするところにもあります。共通点とメリットをまとめて押さえておくと、社内説明がしやすくなります。
第三者審査による信頼性
両制度は、独立した第三者機関による審査を受ける点が共通しています。自己申告ではなく外部の評価が入ることで、取り組みの内容を客観的に示しやすくなります。審査では、基準に沿った文書や記録、現場の状況などが確認されるため、満たしていない場合は認証が付与されません。そのため認証マークは、一定の基準を満たしたことを示す「目安」として機能します。取引先や消費者に対して説明の土台ができるため、情報の行き違いが起きにくくなる点もメリットです。
ブランド価値向上と取引拡大
認証水産物を扱うことは、企業の姿勢を分かりやすく示す材料になります。環境や社会への配慮を重視して商品を選びたい消費者は増えており、認証マークは購入判断の手がかりになります。また、海外市場や大手小売の取引では、持続可能性に関する基準が設けられていることもあります。MSC認証やASC認証に対応することで、調達要件に合わせやすくなり、提案の幅が広がります。結果として、取引の入り口が増え、長期的な関係づくりにもつながります。
持続可能な調達方針への貢献
認証制度を活用すると、調達の基準を言語化しやすくなります。例えば、天然魚はMSC認証の選択肢を検討し、養殖魚はASC認証の選択肢を検討する、といった方針を定めることで判断がぶれにくくなります。基準が明確になるため、担当者ごとの判断の差が小さくなり、説明の手間も減りやすいです。継続的に取り組むことで、持続可能性を意識した調達が社内の習慣として根付きやすくなります。
MSC認証とASC認証の選び方み
実務で迷いやすいのは「自社の取り扱いにどちらが合うか」という点です。判断は難しく見えますが、天然か養殖かを軸にしつつ、販売先の要望や表示の方針まで一緒に考えると整理しやすくなります。選び方の目線をそろえるために、代表的なケースを見ていきます。
天然魚を扱う場合の判断基準
天然魚を中心に扱う場合は、MSC認証の選択肢が判断材料になります。MSC認証は、資源管理や漁業管理の考え方が評価されるため、天然魚の持続可能性を説明したいときに役立ちます。仕入れの場面では、対象となる商品が認証ロットとして扱われているか、どの段階まで認証として取り扱えるかを確認することが大切です。取引先に伝える内容をそろえることで、提案が通りやすくなります。
養殖魚を扱う場合の判断基準
養殖魚を扱う場合は、ASC認証の選択肢が判断の軸になります。ASC認証は、養殖場の環境管理や社会面の配慮が評価対象になるため、養殖に関する不安や疑問に答えやすくなります。特に、サーモンやエビなど養殖が主流の魚種では、取引先から認証の有無を聞かれることもあります。要望が出たときにすぐ確認できるよう、対象商品と供給条件を事前に押さえておくと安心です。結果として、仕入れ判断のスピードが上がり、提案の幅も広がります。
飲食店や小売における表示の考え方
飲食店や小売で「認証マーク(ロゴ)を表示したい」場合は、仕入れだけでなく管理の仕組みも含めて検討する必要があります。一般に、認証マークの使用には、認証品と非認証品を分けて扱う管理が求められます。扱うだけで必ずしも同じ要件になるとは限らないため、実際の運用は仕入れ先や認証のガイドラインに沿って確認すると安心です。表示の方針が決まると、必要な書類や管理の手順が明確になり、担当者間での共有もスムーズになります。
MSC認証とASC認証の水産物を扱う亀和商店の強み
認証水産物を探している方にとって大切なのは、制度の知識だけでなく「必要な情報がそろうか」「相談しながら進められるか」という点です。亀和商店は1938年創業の水産仲卸です。2006年4月には日本で初めてMSC認証を取得し、2015年4月にはASC認証も取得しています。長年の流通実績をもとに、認証水産物の調達を検討する取引先への提案を行っています。認証水産物の調達を検討する際にも、目的に合わせた相談を受け付けています。
認証水産物の取り扱い体制
亀和商店は2006年に日本で初めてMSC認証を取得し、2015年にはASC認証も取得しています。天然魚・養殖魚の双方で認証水産物の取り扱いに対応しており、仕入れの段階で必要な確認を行う体制を整えています。取引先が知りたいのは、単に「認証があるか」だけではありません。
どの魚種で対応できるのか、供給の条件はどうか、説明に必要な情報をどこまで用意できるかといった点まで含まれます。そうした疑問に答えられるよう、仕入れの背景情報を確認し、提案時に分かりやすく伝えることを意識しています。結果として、認証水産物を初めて扱う方でも、検討を進めやすくなります。
仲卸としての流通対応と提案力
仲卸の役割は、魚を届けるだけではなく、条件に合う商品を見つけて提案することにもあります。認証水産物を検討する場面では、天然か養殖か、用途は飲食か小売か、どの程度の頻度や量が必要かで最適な選択肢が変わります。亀和商店では、こうした前提を丁寧にお聞きしたうえで、現実的な候補をご提案します。
制度の説明を長くするよりも、目的に合う候補が見つかることが重要なため、相談の中で判断材料をそろえていく進め方を大切にしています。
仕入れ相談と調達サポート
MSC認証やASC認証の魚を探している場合、「何から決めればよいか」で止まってしまうことがあります。例えば、認証の希望はあるものの、魚種が決まっていない、季節で入荷が変わる、ロットや納品形態の条件があるといったケースです。亀和商店では、こうした条件を確認しながら、候補の方向性を一緒に固めていきます。相談の段階で前提が整理されるため、社内の稟議や取引先への説明もしやすくなります。認証水産物を継続的に扱いたい方の調達設計を、ともに進めます。
FAQ
MSC認証とASC認証に関するよくある質問
MSC認証とASC認証は似て見える部分もあるため、実務では誤解が起きやすいテーマです。特に「同時に扱えるのか」「表示の条件は何か」といった点は、早めに押さえておくと安心です。迷いやすい質問を中心に回答します。
QMSC認証とASC認証は同時に取得できるのか
MSC認証とASC認証は対象が異なるため、同一の水産物(同一ロット)が両方の認証を持つことは基本的にありません。天然漁業であればMSC認証、養殖であればASC認証という位置づけになります。ただし、事業者としてはMSC認証の取扱商品とASC認証の取扱商品を両方そろえることが可能です。その場合は、商品ごとに認証の種類が異なるため、仕入れ情報や説明内容を取り違えない運用が大切になります。
Q認証魚を扱うには何が必要か
認証水産物を仕入れて提供すること自体は可能でも、「認証マーク(ロゴ)を表示する」場合は要件が変わることがあります。一般に、認証マークの使用には、認証品と非認証品を分けて扱う管理が求められ、流通管理の認証(CoC)に関する確認が必要になるケースが多いです。事業形態や表示の方法で条件が変わるため、導入時は仕入れ先とガイドラインを確認しながら進めると安心です。前提がそろうことで、誤解のない表示につながります。
Q認証マークの使用条件はどうなるのか
認証マークの使用には、各制度が定めるガイドラインがあります。例えば、表示できる範囲、表記の仕方、必要な情報の持ち方などが定められており、誤った使い方は信頼性を損ねる原因になります。実務では「どこに、どう表示するか」が論点になりやすいため、早い段階で方針を決めると進めやすくなります。判断に迷う場合は、仕入れ先や関係先に確認し、条件に沿った運用にするのが確実です。
まとめ|MSC認証とASC認証の違いと選び方
MSC認証とASC認証の違いは、対象が天然漁業か養殖業かという点にあります。MSCは水産資源の状態や漁業管理の考え方が重視され、ASCは養殖場の環境管理や社会面の配慮が評価の中心です。一方で、第三者審査による信頼性や、持続可能な調達方針に役立つ点は共通しています。選び方は「天然か養殖か」を軸にしつつ、販売先の要望や表示方針まで含めて決めると判断しやすくなります。認証水産物の仕入れを具体化したい場合は、条件整理から相談できる仲卸を活用すると、無理のない調達設計につながります。