2026.11.02

MSC認証とは?海のエコラベルの意味と認証水産物を選ぶポイント

サスティナブルシーフード

MSC認証や海のエコラベルを見かけたとき、「環境に良さそうなのは分かるけれど、実際に何を示しているのか分からない」と感じたことはありませんか。魚を選ぶときに、味や価格だけでなく、海の資源や将来の食文化まで意識したいと考える人は少しずつ増えています。
MSC認証は、持続可能な漁業で獲られた天然水産物であることを示す国際的な認証制度です。青い海のエコラベルは、魚がどのような基準で漁獲され、流通の中でどのように管理されてきたのかを知るための大切な目印となります。
この記事では、MSC認証の意味や仕組み、ASC認証との違い、認証水産物を選ぶときのポイントをわかりやすく紹介します。サステナブルシーフードを日々の食事やお店の商品選びに取り入れたい人は、ぜひ参考にしてください。

MSC認証とは海を守る水産物の目印

MSC認証とは、将来にわたって水産資源を利用できるよう、持続可能な方法で管理された漁業に与えられる認証です。商品やメニューに付く青い海のエコラベルは、環境に配慮した天然水産物を選ぶための目印になります。

海のエコラベルの意味

MSC認証の海のエコラベルは、その水産物がMSCの基準を満たした漁業で獲られた天然水産物であることを示すラベルです。単に「環境に良い魚」という印象を伝えるマークではなく、水産資源の状態や漁業管理、海の生態系への影響などを第三者機関が審査したうえで表示されます。
消費者が漁業の現場や流通過程を一つひとつ確認するのは簡単ではありません。そのため、海のエコラベルは、持続可能な漁業で獲られた水産物かどうかを見分ける手がかりになります。買い物や外食の場面でラベルを意識することで、魚の背景にも目を向けやすくなります。

対象となる天然水産物

MSC認証の対象は、天然の海水生物や淡水生物を漁獲する漁業です。魚類だけでなく、貝類や甲殻類なども対象に含まれます。一方で、完全な養殖業はMSC認証の対象ではありません。養殖水産物については、後述するASC認証が主な目印になります。
この違いを知っておくと、ラベルを見たときに混乱しにくくなります。例えば、天然のマグロやカツオなどにMSC認証が付いている場合、その魚は持続可能な漁業で獲られた水産物として管理されています。魚を選ぶ際は、天然水産物なのか、養殖水産物なのかもあわせて見ると理解しやすくなります。

認証水産物が届くまでの流れ

MSC認証水産物は、漁獲されたあと、加工、流通、販売を経て消費者のもとへ届きます。その過程では、認証された水産物であることをたどれる状態にしておく必要があります。漁業の認証だけでなく、流通過程の管理も重要になる点が特徴です。
商品に海のエコラベルが表示されるまでには、漁業者だけでなく、加工業者、流通業者、小売店、飲食店なども関わります。認証水産物が非認証の水産物と混ざらないよう管理されることで、ラベルの信頼性が保たれます。小さなラベルの裏側には、こうした管理の積み重ねがあります。


MSC認証が必要とされる背景

MSC認証が注目される背景には、水産資源の減少や海洋環境への負荷があります。魚は身近な食材ですが、無限に獲れるものではありません。食卓に魚を残していくためには、獲り方や選び方にも目を向ける必要があります。

水産資源の減少

世界では、魚の需要が高まる一方で、資源量への不安も広がっています。水産物は多くの国で重要なたんぱく源であり、食文化や地域経済を支える存在です。しかし、資源の回復を待たずに獲り続けると、魚の数が減り、将来の漁業そのものが成り立ちにくくなります。
MSC認証は、こうした状況に対して、持続可能な漁業を広げるための仕組みとして設けられています。必要な量を無理なく利用し、資源が回復できる状態を保つことで、漁業者にとっても消費者にとっても安定した水産物の供給につながります。

海洋環境への影響

漁業は、魚を獲る行為だけでなく、海の生態系とも深く関わっています。漁具や漁法によっては、対象ではない生き物を一緒に捕獲してしまったり、海底環境に影響を与えたりする場合があります。水産資源を守るには、魚の数だけでなく、魚が暮らす環境にも配慮しなければなりません。
MSC認証では、漁業が生態系に与える影響も審査の対象となります。特定の魚だけを見て判断するのではなく、その魚が生きる海全体のつながりを考える点が特徴です。海の状態を守ることは、結果としておいしい魚を長く楽しめる環境を残すことにもつながります。

食卓からできる漁業支援

海の問題というと、漁業者や企業だけが取り組むものに感じるかもしれません。しかし、消費者がどの水産物を選ぶかも、持続可能な漁業を支える大切な行動になります。MSC認証水産物を選ぶ人が増えれば、認証を取得した漁業や、環境に配慮した流通に取り組む事業者の後押しになります。
毎日の食事ですべてを大きく変える必要はありません。買い物の際にラベルを見てみる、外食で認証水産物を使ったメニューを選ぶなど、できる範囲で意識することが現実的です。小さな選択を積み重ねることで、将来も魚を食べ続けられる海づくりに関わることができます。


MSC認証の基準と流通管理

MSC認証は、漁業の考え方だけでなく、審査基準や流通管理の仕組みによって信頼性を支えています。認証水産物として消費者に届くまでには、漁獲の方法と流通経路の両方が重要になります。

3つの審査原則

MSC漁業認証では、主に3つの原則に基づいて漁業が審査されます。1つ目は、水産資源が持続可能な状態であることです。魚を獲りすぎず、資源が将来も利用できる状態に保たれているかが見られます。
2つ目は、漁業が海の生態系に与える影響を抑えていることです。対象外の生き物への影響や、海の環境への負荷も確認されます。3つ目は、漁業を適切に管理する仕組みがあることです。資源状態の変化に応じて漁獲量や方法を見直せる管理体制があることで、持続可能な漁業として評価されます。

CoC認証による追跡管理

MSC認証の水産物が消費者に届くまでには、加工業者、卸売業者、小売店、飲食店など多くの事業者が関わります。その過程で認証水産物と非認証の水産物が混ざってしまうと、ラベルの信頼性が保てません。そのため、流通や加工に関わる事業者にはCoC認証が求められます。
CoC認証は、認証水産物が適切に分別され、記録され、追跡できる状態で管理されていることを示す仕組みです。商品にMSCの海のエコラベルを表示するには、漁業側の認証だけでなく、流通過程の管理も欠かせません。ラベルの裏側には、こうした地道な確認と管理があります。

ラベル表示の信頼性

MSCの海のエコラベルは、企業が自由に付けられる装飾ではありません。MSC認証漁業で獲られた水産物であること、さらに流通過程で適切に管理されていることが確認されて、はじめて商品やメニューに表示できます。
ラベル表示には一定のルールがあるため、認証水産物であることを消費者へ伝える際にも根拠を持たせやすくなります。売り場や飲食店でMSC認証水産物を扱う場合も、単なる環境配慮の表現ではなく、認証制度に基づいた情報として示せる点が特徴です。


MSC認証とASC認証の違い

水産物の認証ラベルには、MSC認証のほかにASC認証もあります。どちらもサステナブルシーフードを選ぶ際の目印になりますが、対象となる水産物が異なります。違いを知っておくと、売り場やメニューで迷いにくくなります。

天然水産物と養殖水産物

MSC認証は、天然水産物を対象とした認証です。持続可能な漁業で獲られた魚介類であることを示すため、海や川などで漁獲される天然の水産物が対象になります。マグロ、カツオ、サバ、エビ、貝類など、漁業によって獲られる水産物に関係します。
一方、ASC認証は責任ある養殖によって生産された水産物を対象としています。養殖では、飼料、排水、生態系、地域社会への影響なども重要になります。つまり、天然の水産物はMSC認証、養殖の水産物はASC認証という大きな違いがあります。

青いラベルと緑のラベル

MSC認証の海のエコラベルは青いラベルです。天然水産物を選ぶときに、この青いラベルが付いていれば、MSC認証漁業由来の水産物であることを確認できます。売り場では、冷凍品、加工品、缶詰、惣菜などに表示されている場合があります。
ASC認証は緑色のラベルで表示されることが一般的です。どちらも環境や社会に配慮した水産物選びに役立つ目印ですが、色と対象を混同しないことが大切になります。青は天然水産物、緑は養殖水産物と覚えておくと、商品を見たときに判断しやすくなります。

SDGsとの関わり

MSC認証やASC認証は、SDGsの考え方とも関係があります。特に、海の豊かさを守ることを掲げるSDGs目標14とつながりが深い取り組みです。水産資源を守りながら利用することは、海の環境だけでなく、漁業や食文化を未来に残すことにもつながります。
ただし、認証ラベルがある商品を選ぶことだけで、海の問題がすべて解決するわけではありません。MSC認証は、持続可能な漁業を広げるための具体的な選択肢のひとつです。SDGsの考え方と結びつける際も、ラベルを掲げること自体ではなく、資源や流通の背景を知って選ぶ姿勢が大切になります。


MSC認証水産物を選ぶポイント

MSC認証水産物を選ぶときは、ラベルの有無だけで判断するのではなく、商品情報や使いやすさも合わせて見ることが大切です。無理なく続けられる選び方を知ることで、日々の食事や店舗での提供にも取り入れやすくなります。

  • MSCの海のエコラベルが表示されているかを見る
  • 魚種や産地などの商品情報を確認する
  • 家庭や店舗で使いやすい形の商品を選ぶ

認証水産物は特別な日のためだけのものではありません。普段の買い物や仕入れの中で少しずつ取り入れることで、海に配慮した選択を続けやすくなります。

ラベル表示と商品情報

MSC認証水産物を選ぶ際は、まず青い海のエコラベルが表示されているかを確認します。パッケージ商品であれば、表面や裏面、商品説明欄などにラベルが記載されている場合があります。飲食店のメニューでは、使用している水産物の説明として表示されることもあります。
あわせて、魚種名、原材料名、加工方法、販売者などの商品情報にも目を向けると安心です。認証ラベルは重要な目印ですが、どのような魚をどのような形で使うのかまで見ることで、家庭でも店舗でも目的に合った水産物を選びやすくなります。

魚種や産地への目線

MSC認証の水産物を選ぶときは、魚種や産地にも目を向けたいところです。同じ魚でも、漁獲される海域や漁業の管理方法によって、資源の状態や環境への配慮は異なります。認証は、その違いを消費者に分かりやすく伝える役割を持っています。
ただし、魚種や産地を細かく調べすぎると、選ぶこと自体が負担になる場合もあります。最初は、よく食べる魚やよく仕入れる魚から認証品を探してみるのがおすすめです。身近な魚から意識することで、サステナブルシーフードを無理なく取り入れやすくなります。

無理なく続ける買い方

サステナブルシーフードを選ぶうえで大切なのは、一度だけ選んで終わりにしないことです。価格、味、調理のしやすさ、保存のしやすさなども含めて、続けやすい商品を選ぶ必要があります。家庭であれば使い切れる量、飲食店であれば仕込みや提供に合う形状かどうかも大切です。
冷凍品や加工済みの商品は、保管しやすく、必要な分だけ使いやすい点がメリットになります。無理にすべてを認証水産物へ切り替えるのではなく、普段使う魚の一部から始めることで、負担を抑えながら海に配慮した選択を続けやすくなります。


亀和商店が扱うMSC認証水産物

亀和商店では、サステナブルシーフードへの取り組みとして、MSC認証やASC認証を取得した水産物を扱っています。今回のテーマであるMSC認証については、天然水産物を中心に、実際の商品選びへつなげて考えることができます。

MSC認証キハダマグロプレート

亀和商店の公式サイトでは、MSC認証を取得した商品例として「MSC認証 キハダマグロプレート(天然)」が掲載されています。商品情報では、原産地・加工地ともに台湾、種類はキハダマグロ、規格は450~800g/枚、荷姿は真空パック・生食用10kgとされています。
導入を検討する際は、用途や提供方法に合うかを確認すると判断しやすくなります。生食用の商品であれば、刺身や海鮮丼、寿司など、素材の特徴を活かした提供方法が考えられます。MSC認証品を扱うことで、味や使い勝手だけでなく、海に配慮した水産物であることも伝えやすくなります。

取扱時期と商品情報

認証水産物を検討する際は、掲載されている商品が常に同じ状態で入手できるとは限らない点に注意が必要です。水産物は、漁獲状況、在庫、加工状況、季節によって取り扱いが変わる場合があります。そのため、導入を考える際は、最新の商品情報を確認することが大切です。
特に飲食店や小売店で継続的に使用する場合は、価格だけでなく、供給の安定性、加工形態、ロット、保存方法も確認しておくと安心です。MSC認証品を無理なく取り入れるには、現場で使いやすい形かどうかを見極めることがポイントになります。

飲食店や小売店での活用

MSC認証水産物は、飲食店や小売店でも活用しやすい選択肢になります。例えば、生食用の商品であれば、刺身や海鮮丼、寿司など、素材の特徴を活かした提供方法が考えられます。商品説明やメニューに認証水産物であることを添えることで、海に配慮した商品であることをお客様へ伝えやすくなります。
また、SDGsへの取り組みを発信したい事業者にとっても、MSC認証水産物の導入は分かりやすい行動になります。大きな仕組みを一度に変えるのではなく、まずは一部の商品やメニューから始めることで、現場の負担を抑えながら取り組みを広げることができます。


まとめ|MSC認証を知り海にやさしい水産物選びへ

MSC認証とは、持続可能な漁業で獲られた天然水産物であることを示す国際的な認証制度です。青い海のエコラベルは、消費者が水産資源や海洋環境に配慮した商品を選ぶための分かりやすい目印になります。
認証水産物を選ぶ際は、ラベルの有無だけでなく、魚種や産地、商品情報、使いやすさも合わせて見ることが大切です。MSC認証は天然水産物、ASC認証は養殖水産物を対象としているため、違いを知っておくと商品選びにも役立ちます。
当社では、MSC認証を取得した天然水産物をはじめ、サステナブルシーフードの取り扱いを通じて、海に配慮した水産物選びを支えています。飲食店や小売店の商品づくりに認証水産物を取り入れたい場合は、取扱商品や最新の在庫状況を確認しながら、ぜひ当社へご相談ください。